いじめや問題行動が学校で起きると、出席停止、施設に入れろ等の意見がきこえてきます。もちろん人を傷つけるいじめ、暴力行為は許されるものではありません。
出席停止、どこか外部機関の施設に入れることが必要なときもあるかもしれません。ただ、問題行動を起こした子どもを排除する風潮は、子どもの立ち直り、社会の安定を考えるとマイナスの要素の方が大きいと思います。
問題行動を起こす子どもは、必ず背景があります。その背景を理解し、少しでも生きづらさを減らすことで、問題行動は少しずつ減っていきます。例えば出席停止にするなら、家で複数の大人がその子どもが立ち直るようにサポートする体制が必要です。
学校や社会から排除されたと感じた子どもは立ち直るどころか、より精神的に苦しい状況になります。大人になったときに社会に復讐するような行動や犯罪に走ることになります。人は捨てられたり、存在を無視されることが、一番の傷つきです。長期的な視点に立つと、どうしても必要な場合を除いて、排除は社会的な不安定につながります。
また子ども家庭センターや警察はたくさんの案件を抱え、パンク寸前です。自立支援施設もいつも定員がほぼ一杯で、問題行動を繰り返し起こしても、よほど重大な問題行動がない限り、門前払いとなります。これが今日本の子育てが置かれている状況です。
また親はどのような教育をしているのか、親が責任を取れといった意見もよくききます。意見としてはよくわかりますが、
①親の生活が追い詰められている
②親も生い立ちに困難を抱えている(親が子どものときに苦しい思いをしたことは、その人自体の責任ではないはずです。代々困難が続いている場合が多いです。)
③発達課題で苦しんでいる
④精神的な生きづらさを抱えている
などなど、親自体がうまく子育てできる状況にないのです。社会の歪みが、子どもたちに影を落とし、様々な問題行動につながっていることを理解する必要があります。